東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream (サンドリと呼ばれてます)

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

【報告】5/30司法修習生シンポジウム@京都教育文化センター

主催・実行委員の第68期司法修習生の幸裕子さま
(当日はシンポジウムの司会も務められていた方です)より、
シンポジウムのご報告レポートを頂きましたので掲載致します。

5月30日土曜日、ここ数ヶ月企画してきたシンポジウム、
「私たちと原発〜風化させない決意を込めて」を無事とりおこなうことができました。

IMGP0209a.jpg


第1部は映画「日本と原発」の上映でした。

こちらは原発差止訴訟などで闘ってきた河合弘之弁護士と海渡雄一弁護士が制作したドキュメンタリー映画。
原発問題の全体像をわかりやすくまとめた上、被災者個人へのインタヴューや現地取材が多く盛り込まれ、具体的な被害の実相が伝わるようになっています。
被災した方それぞれにとっての福島原発事故の被害が映し出されていたのが、とても印象的でした。

第2部は、長年原子力と闘ってきて、あの大飯原発再稼働差止判決や、つい先日でた高浜原発運転差止仮処分決定を勝ち取った海渡雄一先生と、

福島県郡山市から、原発事故の2か月後に当時3歳と0歳だったお子さんを連れて母子で大阪へ自主避難し、
国と東電を相手に損害賠償請求訴訟を提起して原告団代表をしている森松明希子さんにお話してもらいました。

【海渡先生のお話】

海渡先生は、差止判決や仮処分について、原子力規制行政がいかに緩んでここまできたか、原発事故直後の国の対応のまずさによって、原発周辺の市民が、本来ならば防げたはずの被曝を強いられたこと、原発労働の問題点、これまでの原発労災訴訟などなどさまざまなことをお話してくれました。

海渡先生は、高浜原発運転差止仮処分決定が新規制基準について述べた部分を引用して紹介されました。

「多重防護とは堅固な第一陣が突破されたとしてもなお第二陣、第三陣が控えているという備えの在り方を指すと解されるのであって、第一陣の備えが貧弱のため、いきなり背水の陣となるような備えの在り方は多重防護の意義からはずれるものと思われる。」
端的に新規制基準、ひいては原発規制行政のまずさが表現されている名文です。

先生は講演の最後に、まずは原発問題の知識を持つこと、第2に福島で起きた被害を肌感覚で知り、繰り返してはならないと心で感じること、第3に社会は必ず原発をやめられるという確信を持つことだとおっしゃいました。

ずっと原発問題に取り組んできた海渡先生の言葉は、力強く、説得力があり、非常に勇気づけられるものでした。

【森松明希子さんのお話】

二人目の講師、森松さんは、一つ、震災当時のことで、今でも思い出したくないとてもつらかったことを、私たちに話してくれました。

震災後、郡山の避難所で不安になりながら身動きとれず暮らしていたときのこと。
森松さんは、かじりつくように毎日見ていたテレビのニュースで、
「東京の金町浄水場の水からセシウムが検出されました」との報道を見ます。

瞬間、「金町浄水場が汚染されているならば、郡山の水道水が汚染されていないはずがない」。そう思いました。

死ぬほど不安な中、危険はニュースで知らせてもらえるはずだと自分に言い聞かせるように暮らしているのに、
「福島の水道水が汚染されたというニュースが無い中で、飛び越えて東京?」
そうも思いました。

そのNHKニュースは、続けてこう言ったそうです。
「念のため、乳幼児には飲ませないようにしてください」。

震災で自宅が断水し、避難所で水道が使えるありがたみを実感した矢先の出来事。
ライフラインは全て止まり、商店も全て閉まり、品物もなく、ミネラルウォーターなど手に入らず、乳幼児がいるからと配給されるわけでもなかった。

森松さんがつらかったのは、明らかに放射性物質で汚染されているとわかっている水道水を、「喉乾いたー」という当時3歳の子どもに、手渡して飲ませなければならなかったこと。
5ヶ月の赤ちゃんがいて、自分の母乳しか与えられるものがない中で、汚染された水を飲まなければならなかったこと。

よく、「母子だけで大阪なんて遠くまで、大変でしょう、どんなに辛いでしょう」と言われることがある。
でも、自分の手で汚染された水を子どもに飲ませなければならなかったことに比べれば、全然たいしたことない、と。

母親は、子どもに少しでもいいものを与えたいと思うし、悪いものは与えたくないと思う。
それが普通の母親というものだ、と。
そういう母親というものにとって、原発事故が日常にもたらす被害は、深刻かつ残酷で、とても受け入れられないのだ、というお話でした。

私にはまだ子どもがいないですが、それでも痛いほど気持ちが伝わってきて、涙なしには聞けませんでした。
私のお母さんは家族のことに一生懸命な人で、私は小さい頃から本当に手をかけて育ててもらったのですが、森松さんのお話をきいていたら、昔のお母さんとまだ小さい自分の姿が頭にうかびました。

放射性物質が確実に入っている水を子どもに手渡さなければならないときの母親の気持ち。それはまさに断腸の思いだろうと思いました。

来場者の感想を聞くと、「水の話が一番印象的だった」という声がとても多かったです。


IMGP0213a1.jpg

このプレ企画で、企画側である私も、たくさんの新しい知識を得ることができ、また、海渡先生・森松さんという2人の講師の方から、あらためて、この問題を考え続け、自分にできることを行動し続けようという決意と勇気をいただきました。
お二人とも大変ご多忙である中、当企画の講師を引き受けてくださり、本当にありがとうございました。

そして企画の実現にさまざまな形で協力してくださった脱原発弁護団の先生方、原発賠償関西訴訟弁護団の先生方、関西サポーターズの方々、遠方から来てくださった皆様に、この場を借りて心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

最後に、当日の運営も含め、一緒に企画をつくりあげた7月集会実行委員のみなさま、大変お疲れ様でした!
7月集会も成功させましょう!


司法修習生7月集会2
関連記事

| おはなし隊 | 12:36 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

PREV | PAGE-SELECT | NEXT