【3.11避難者の声】国策が間違っているのだったら、 たとえ大きな権力であっても、 自分の命と健康に係わる権利の侵害があれば、 それはきちんと訴えることができるし、そうあるべきです。

【3.11避難者の声】 森松明希子(福島→大阪・子ども2人と母子避難中)
「さようなら原発 関西アクション2023」でのアピールの文字起こし
大阪のみなさん、いつもありがとうございます。
ご紹介いただいた原発賠償関西訴訟原告団代表の森松明希子と申します。
今から12年前の2011年の3月11日、私は福島県の郡山市というところに住んでいました。
今、白石さんが説明してくださった地域でいいますと、
いわゆる中通りという福島第一原発からは60Kmほど離れた、
この12年間で一度も強制避難の区域に指定された地域ではない郡山市という地方都市に家族4人で住んでいました。
私が当時住んでいた郡山市から避難をしてきたのは、私と、当時0歳と3歳だった二人の子供だけ、
いわゆる母子避難というかたちで、この12年間避難を続けています。
大阪地方裁判所で、国と東京電力を相手に、
この事故の責任を追及するため、
国家賠償請求訴訟の民事集団訴訟を行っているのですけど、
今、白石さんのお話を聞いて、みなさん、どのように感じ、
どのようにこれから一緒に闘っていこうと思われましたでしょうか。
私は12年間、本当に大阪の地で関西のみなさんに、集団訴訟の裁判を支えていただきました。
声を上げる被害者に、本当に共感してくださって、一緒に怒ってくださった「さよなら原発」のみなさん、そして関西に住んでらっしゃる普通のみなさん、普通に暮らすみなさんのおかげで、こうして声を上げることができました。
私は、このように顔も名前も出身地も、それから子どもたちの年齢や、そういうことも公表しています。
この国は言論の自由が保障されていて、
自分が受けた被害に対して堂々とちゃんと責任をとってほしいと言える(ことがあたりまえのことだ)、
と私は思っています。
国策が間違っているのだったら、
たとえ大きな権力であっても、
自分の命と健康に係わる権利の侵害があれば、
それはきちんと訴えることができるし、そうあるべきです。
今の白石さんのお話では、
子ども甲状腺ガン裁判の原告は当時、6歳から16歳の学齢期の子どもたちです。
彼らは今、東京電力を相手に、
自分たちが病気になったのは福島原発事故の被ばくによる影響だと訴えています。
それでも国は、その可能性もあるからきちんと制度をつくって、きちんと子供たちを守っていく政策に変換するとか、それが分かるまでは原発をちゃんと止めようとか、そういうことを考えて、政策をとっているでしょうか。
私の子供は当時、0歳と3歳でした。
避難していても同じように、甲状腺検査を、今、白石さんが説明してくださったとおり、
2年に一度、大阪に避難をしてもなお検査をしつづけています。
おかげさまで、避難をつづけさせていただいて、子供たちは0歳と3歳でしたから、
12足してもらえれば分かると思います。
ちょうど今、裁判を起こしている子供たちの年齢にさしかかってきました。
0歳は12歳になり、3歳は15歳です。
小学校の6年生と今、中学3年生の子は高校受験に向かっています。
そうやって暮らしていますが、
検査の意味も、なぜ検査をしているのかも、二人の子どもは知っています。
私は、避難できた子どもたちだけが被ばくから免れて、健康を享受できればいいとは全然思っていません!
「子どもを守ろう」、とか、「子どもは社会の宝」だよね、とか、「子どもは未来の担い手だ」、とか、
ほんとに綺麗な言葉で、子どものための政策や、子供を守ろうという大きな声は聞こえますが、
原発がひとつあることで、どれだけ多くの子どもたちが平等に命や健康を守られていないか!
私は、この子どもの甲状腺ガンが多発しているという事象ひとつをとっても、社会的にこの事実ひとつをとっても
子どもたちが守られていないことが明らかだと思います。(拍手!そうだ、守られていない!)
子供を守ろう、という、その一点だけでも、ほんとに一致できると思います。
子ども時代を経験しなかった大人はひとりもいないわけですし、
みんな、わたしたちは子どもの時代があったわけです。
避難した子もとどまっている子たちも、大阪に住んでいる子も顔を出して訴えることができず将来の先行きに不安になっている福島の子も、どの子も!
この国に住んでいる子どもたちは年齢も性別も出身地も何も関係なく守られなければなりません!
脱原発とともに脱被ばく、
そして、被ばくから免れ、健康を享受する権利というのは、
自身の命と健康に関わる、生存に関わる権利!
その憲法上の基本的人権を守るという闘いで、
この声を上げられない顔も名前も出せないけれども、被害を訴える子どもたちとともに私自身も歩んでいきたいし、
声を上げ続けていきたいと思います。
これからも応援と、ご一緒に歩んでください。
これからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございます!
↑
2023年3月5日。エルおおさか。
「さよなら原発・関西アクション~原発やめて!核燃サイクル中止!~」
「誰にも言えなかった甲状腺ガン患者の現実」
フクシマ原発事故の一丁目一番地、子どもの甲状腺ガンについて取材を続けている白石草(はじめ)さんが講演する。
「過剰診断」であるはずがない。放射性ヨウ素により甲状腺ガンを発症した若者たちが東京電力に対して裁判を起こした。
僕は、相変わらず知らないことが多い。
甲状腺ガンの手術は首というセンシティブな場所で行われる。その厳しさ。
再発転移の恐怖。
アイソトープ治療というのは、自ら内部被ばくして、取り残した甲状腺ガンを攻撃する治療だったのか。
「ふくしま国際科学医療センター」という放射線医学の専門病院は2016年に竣工した。国はやっぱり甲状腺ガンが増えると予測したのか、というガン家族の声。
名前も顔も出せない原告5さんの意見陳述を含めて、この裁判の模様は渡辺一枝さんの記事(マガジン9)も読んでください。
https://maga9.jp/221130-4/
そして、森松明希子さんがアピールをした。452名の参加者に向けて、渾身としかいいようのない訴えをする。拍手が起こる。目頭が熱くなる。アピール内容は以下。
↓
大阪のみなさん、いつもありがとうございます。
ご紹介いただいた原発賠償関西訴訟原告団代表の森松明希子と申します。今から12年前の2011年の3月11日、私は福島県の郡山市というところに住んでいました。今、白石さんが説明してくださった地域でいいますと、いわゆる中通りという福島第一原発からは60キロほど離れた、この12年間で一度も強制避難の区域に指定された地域ではない郡山市という地方都市に家族4人で住んでいました。
私が当時住んでいた郡山市から避難をしてきたのは、私と、当時0歳と3歳だった二人の子供だけ、いわゆる母子避難というかたちで、この12年間避難を続けています。
大阪地方裁判所で、国と東京電力にこの事故の責任を追及するため、国家賠償訴訟の民事集団訴訟を行っているのですけど、今、白石さんの話を聞いて、みなさん、どのように感じ、どのようにこれから一緒に闘っていこうと思われましたでしょうか。
私は12年間、ほんとに大阪の地で関西のみなさんに、集団訴訟の裁判を支えていただいて声を上げる被害者に、ほんとに共感してくださって、一緒に怒ってくださった「さよなら原発」のみなさん、そして関西に住んでらっしゃる普通のみなさん、普通に暮らすみなさんのおかげで、こうして声を上げることができました。
私は、このように顔も名前も出身地も、それから子供たちの年齢や、そういうことも公表しています。
この国は言論の自由が保障されていて、自分が受けた被害に対して堂々とちゃんと責任をとってほしいと言える、と私は思っています。
国策が間違っているのだったら、たとえ大きな権力であっても、自分の命と健康に係わる権利の侵害があれば、それはきちんと訴えることができる、そうあるべきです。
今の白石さんのお話では、子ども甲状腺ガン裁判の原告は当時、6歳から16歳の学齢期の子供たちです。
彼らは今、東京電力相手に、自分たちが病気になったのは福島原発事故の被ばくによる影響だと訴えています。それでも国は、その可能性もあるからきちんと制度をつくって、きちんと子供たちを守っていく政策に変換するとか、それが分かるまでは原発をちゃんと止めようとか、そういうことを考えて、政策をとっているでしょうか。
私の子供は当時、0歳と3歳でした。避難していても同じように、甲状腺検査を、今、白石さんが説明してくださったとおり、2年に一度、大阪に避難をしてもなお検査をしつづけています。
おかげさまで、避難をつづけさせていただいて、子供たちは0歳と3歳でしたから、12足してもらえれば分かると思います。ちょうど今、裁判を起こしている子供たちの年齢にさしかかってきました。0歳は12歳になり、3歳は15歳です。
小学校の6年生と今、中3の子は高校受験に向かっています。
そうやって暮らしていますが、検査の意味も、なぜ検査をしているのかも、二人の子供は知っています。
私は、避難できた子供たちだけが被ばくから免れて、健康を享受できればいいとは全然思っていません!
子供を守ろう、とか、子供は社会の宝だよね、とか、子供は未来の担い手だ、とか、ほんとに綺麗な言葉で、子供のための政策や、子供を守ろうという大きな声は聞こえますが、原発がひとつあることで、どれだけ多くの子供たちが平等に命や健康を守られていないか!
私は、この子供の甲状腺ガンが多発しているという事象ひとつをとっても、社会的にこの事実ひとつをとっても明らかだと思います。(拍手!そうだ、守られていない!)
子供を守ろう、という、その一点だけでも、ほんとに一致できると思います。
子供時代を経験しなかった大人はひとりもいないわけですし、みんな、わたしたちは子供の時代があったわけです。
避難した子もとどまっている子たちも、大阪に住んでいる子も顔や将来の先行きに不安になっている福島の子も、どの子も!
この国に住んでいる子供たちは年齢も性別も出身地も何も関係なく守られなければなりません!
脱原発とともに脱被ばく、そして、被ばくから免れ、健康を享受する権利というのは、自身の命と健康に関わる、生存に関わる権利!
その憲法上の基本的人権を守るという闘いで、この声を上げられない顔も名前も出せないけれども、被害を訴える子供たちとともに私自身も歩んでいきたいし、声を上げ続けていきたいと思います。
これからも応援と、ご一緒に歩んでください。これからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございます!
↑
田中文夫さんのFacebook記事よりご許可を得て転載させていただきました。
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