【3.11避難者の報告】 原発判決から学ぶ、樋口英明さん講演会「原発の本当の危険性がわかっていますか?」(2020.2.22@三重県桑名市)

【3.11避難者の報告】
2020年2月22日「原発判決から学ぶ、樋口英明さん講演会」
(主催)3・11を忘れない桑名の会(後援)桑名市・桑名市教育委員会で
登壇の機会をいただき、三重県桑名市に近鉄特急に乗って、行って参りました!
樋口元裁判長のお話は、何度聞いても単純明快で分かりやすいです。
《私が大飯原発を止めたわけ》と題してお話下さった樋口さん。
危険だと裁判所が思ったら止める、
危険だと思わなければ止まらない
→結果、差し止め。
「大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない」
打ち合わせや楽屋でご一緒させていただいたこともあり、
東電福島原発事故被害者がどれほどこの判決文に励まされ、
司法に訴える勇気と光を見出しているかということ、
樋口さんにしっかりと感謝の思いを込めてお伝えさせていただきました。
「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、
これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」
昨年8月の愛知・岐阜訴訟の悔しい不当判決の報告集会で、
全国から原発事故被害者が三重県のお隣愛知県の名古屋地裁に結集し、
悔し涙を流したとき、報告集会で、この名言をプリントしたTシャツを着ている原発事故被害者を見て、
樋口さんの講演会が決まっていたので、福島原発事故被害者と一緒に登壇して貰おうと思ってくださったこと、
主催者様よりお聞きしました。
それをお聞きして、あの日、全国の訴訟団が集まった時、
その樋口判決を背中にプリントしたTシャツを作ったのはかながわ訴訟団、着ていたのは東京訴訟原告、
というように本当に全国の原発被害者が樋口判決に励まされ、つながっていることもしっかりとお伝えしてきました。
私は、元裁判長の樋口さんが聞いてくださるということもあって、
生まれて初めて、講演会で原稿を読んでみました。
(いつもは原稿見ずにフリーspeech^^;)
といっても、この日のために作った原稿ではなく、
私が「ふつうの暮らし 避難の権利 つかもう安心の未来」というキャッチフレーズを掲げて
原告としてたたかっている原発賠償関西訴訟での
自分自身の原告意見陳述を朗読させていただくことにしました。
↓
【3.11避難者の声】
「ふつうの暮らし 避難の権利 つかもう安心の未来」裁判
@大阪地裁 第9回口頭弁論期日での原告意見陳述書(森松明希子)
http://sandori2014.blog.fc2.com/blog-entry-1067.html
裁判官をご経験された樋口さんが、もしも裁判官として聞いて下さったなら、
どのように響くのか、司法に訴えかけるのに伝わるのか、
どうしてもお聞きしたくて、
自己紹介含め事故直後から現在に至るまでを15分程度で
(後半、鼎談という形で再度登壇の機会ありということでしたので)、
思い切って、原発賠償関西訴訟で私が最も訴えたいことが凝縮されている意見陳述を
読み上げさせていただきました。
(2016年6月2日の陳述ですので、事故から5年を9年に変えて。
数字以外は、全く今でも何一つブレることなく同じ主張ですので。)
講演会の資料に、昨秋、ローマ教皇に被害を訴えた17歳の原発避難の高校生の証言の抜粋が掲載されていました。
後半の鼎談で、私は、子どもたちのことについてかなりの分量で触れさせていただきました。
3.11当日の年齢によって子どもと言ってもかなり違うこと、それぞれの年齢層に応じて、子どもたちは自分の意見も主張もあること、何より、この9年を誰よりもしっかりと見つめていること、伝えました。
それは、同時に、大人世代(主権者として参政権のある私たち世代)に責任があると思うというようなお話も、僭越ながらさせていただきました。
それと同時に、折しも
今の新型コロナウィルスの感染拡大について、
3.11の時と非常に重なる事も多いように思いましたので、
今だからこそ非常によく見えるのではないでしょうか?という事も伝えさせていただきました。
そしてもう一つ、これまで
言い続けても伝わらなかった事、
たとえ命を守るためであっても、
「逃げる事は簡単だ思い込みすぎてはいませんか?」ということを、
クルーズ船から3700人は逃げられなかったことを例にあげて、この日は問いかけてみました。
色々思い出されて、今でも上手くまとめられませんが、
とても心に残る講演会になりました。
沢山の方が、講演後も声をかけてくださり、
3.11避難者の声の手記などを手にとってくださいました。
感謝です。
そして、何よりうれしかったことは、保養の取り組みをしている方が、資料を下さったこと、
そしてそして、『原発の断り方』をご出版された柴原洋一さんから直接ご著書を手渡しでいただきました。
帰りの近鉄特急の中で、思わず熟読・・・止まらないです…
珠玉の言葉の連続で、響きまくりです。
ココにこのコトバに真実があると思うのです。
原発を「阻止」するという結果まで出した方々のコトバは本当に重い。
「国家や大企業のこうした仕業について、もしぼくらが黙っていたらどうなるのか。あなたにそのつもりはなくても、黙認・同意にカウントされてしまうのだ。そうなれば否応なく被害者を追い詰める側に立ってしまうことになる。黙っているか、それとも声を上げて戦うか。ぼくら自身が試されている。」
この日は、芦浜原発白紙撤回20周年の記念すべき日だったそうです。
樋口さんを呼ばれた皆さま、主催者の方々、桑名をはじめ原発を止めた三重県の皆さん、3.11を忘れないで9年ずっと保養を続けてくださっている皆さん、本当に本当に沢山のことを全身全霊で受け止め、学ばせていただきました。
また、力と勇気と希望をいっぱい頂いたように思います。
本当にありがとうございました。
ご参加下さった皆さま方も、本当にありがとうございました。
心から、感謝と敬意を込めて…
森松明希子(2020年2月23日)
■2020年2月22日(土)13時〜
原発判決から学ぶ、樋口英明さん講演会「原発の本当の危険性がわかっていますか?」@三重県桑名市
http://sandori2014.blog.fc2.com/blog-entry-2333.html
■樋口さんのご講演についての報道
「住民に原発止める力」樋口元裁判長 中電・芦浜計画巡り:社会:中日新聞(CHUNICHI Web)
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020022201001916.html?fbclid=IwAR0avNPSzS6rOnkE7wqL_PX-htdq3MAKWsmu2YpPe_swNibXTl5Bs6SIGL0
(共同通信・記事引用)
樋口氏は「福島第1原発事故で原発の危険性が分かった。私たちの世代で止めないといけない」と強調。原発を止める権限は首相や地元自治体の首長などにあるが、これらを動かすには住民の力が必要だとし、「芦浜のように一致団結すれば大きな力になる」と訴えた。(引用ここまで)
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